公開講座 もしかして食物アレルギー?

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放送日2025年12月10日~

公開講座 もしかして食物アレルギー?

多摩市

12月6日(土)、多摩市落合の多摩市立中央図書館で、「もしかして食物アレルギー?~子どもの食物アレルギー基礎講座~」と題した公開講座が行われました。
この公開講座は、健康情報の発信や、多摩市民の健康診断の受診率向上につなげようと、多摩市と多摩市医師会の共催により開かれたもので、会場には およそ15人の参加者が集まりました。

今回のテーマは、「子どもの食物アレルギー」ということで、講師を務める東京都立小児総合医療センター アレルギー科医長 森田 久美子先生から、はじめに、食物アレルギーの種類やその仕組みなどについて説明がありました。
食べたものが体に吸収され、免疫反応が起こる「食物アレルギー」は、鶏卵や木の実、牛乳などで多く見られ、湿疹などの皮膚症状やせきといった呼吸器症状が現れ、多くの場合は食後2時間以内に急激な症状が出ることが特徴ということです。
森田さんは、「食物アレルギー」は、小児科では非常に多い疾患で、特に乳幼児期に多くみられると話したうえで、正しい診断に基づいた原因食品の除去や緊急時の対応を呼びかけました。

また、アレルギーを調べる方法として、血液検査や皮膚検査のほかに、医師の管理のもとで原因となる食品を少量ずつ食べ、症状の有無を確認する「食物経口負荷試験」という方法が紹介されました。
そして、食べられる量を正しく把握し、適切な範囲で摂取を続けることが早期改善にもつながるという説明があり、会場に集まった人たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
さらに森田さんは、アトピー性皮膚炎の治療開始が遅れると、食物アレルギーの発症割合が増加するというデータを紹介し、アトピー性皮膚炎も、早期に治療を始めることが重要だと話していました。

最後に、東京都立多摩南部地域病院の管理栄養士大理恭子さんから、アレルギー食品を誤って摂取しないための対策として、食品表示の見方について説明が行われ、参加者は、アレルギーに関する知識を正しく身に付ける必要性を感じているようでした。