蛇より行事

現在放送中

放送日2025年08月13日~

蛇より行事

稲城市

8月7日の(木)、稲城市百村の妙見寺で、「蛇より行事」が行われました。
「蛇より行事」は、疫病からこの地域を守るため、江戸時代に始まったとされる伝統行事で、カヤを使って巨大な蛇を作り、妙見寺の境内社である「妙見尊」に奉納(ほうのう)します。

行事では、その年に百村地域の中で選ばれた「主役者」とよばれる7人の住民が中心となり、近くの萱場(かやば)から刈り取ってきたかやで蛇の頭と胴体をよりあげていきます。
蛇の頭の部分は、上あご、下あごと、口の中にある「舌」を独特な方法で編み上げ、作っていきます。
これらの作業には、熟練の技術がいるということですが、皆さんは、慣れた手つきでカヤを編み込んでいきます。
そして、それぞれの部分をつなぎあわせ、最後に2本の角をつけたら、見事な蛇(へび)の頭が完成しました。

一方、蛇の胴体の部分は、3人がかりで萱の束をより合わせて作っていきます。
作業にあたる3人は、カヤがほぐれないように声を掛け合い、タイミングを合わせながら力いっぱい編み込んでいきます。
周りには、近隣住民の皆さんや、見学に訪れた人も集まり、作業の様子を熱心に見入っていました。

作業開始から、およそ2時間。全てのカヤがより上げられ、蛇の胴体が完成。
尻尾の部分を先頭に、妙見尊がまつられている社殿まで運ばれます。
この地域では、「蛇の胴体に触れると、一年間病気をしない」という言い伝えがあることから、そのご利益にあやかろうと、多くの人たちが蛇の胴体を手に持ち、長い階段を登っていました。

そして最後に、境内の「二十三夜塔」の前で、蛇の胴体と頭が繋がり、住職による祈祷が行われると、今年の「蛇より行事」も無事に終了となりました。