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放送日2025年06月18日~
企画展「戦争と多摩の人々」
多摩市
多摩市落合にあるパルテノン多摩ミュージアムでは、「戦争と多摩の人々」と題した企画展が、2025年11月9日まで行われています。
今回の企画展では、「多摩市 平和・人権課」や「多摩市教育委員会」、「多摩市遺族会」の協力のもと、多摩市に残る、戦争に関する様々な記録や貴重な資料などが、3部構成で展示されています。
多摩村の落合地区から出征した人々の、戦時中の体験談をつづった「落合の軍隊記録」という本をテーマにしたこちらのコーナーでは、昭和55年に出版された実物の本の展示のほか、当時の軍服や軍帽、戦場から家族にあてた手紙。出征先の中国で撮られたという貴重な写真の他に、市民学芸員の皆さんによる落合地区で出征した人々の派遣先を記した地図なども展示され、出征した多摩の若者たちについて考えさせられる内容になっています。
続いて多摩村の兵事係の資料を展示したコーナーです。
徴兵検査や召集令状交付のほか、名簿の管理や戦死者の葬儀など、さまざまな業務を担った兵事係ですが、終戦時には兵事関連の資料は焼却処分をするよう命じられていたため、これらの資料が残っているのは大変珍しく、当時の歴史を知る上ではとても貴重です。
このコーナーには当時の記録や在郷軍人名簿の他、聖蹟桜ヶ丘駅から出征する若者たちを見送る写真などが展示されていました。
そして「戦争の記憶の継承」のコーナーでは、戦争の記憶を語り継ぐ貴重な証言映像の上映や、5年前にアメリカから返還された出征旗の展示のほか、外国ではどのように戦争の事が伝えられていたかを知る資料として、シンガポールの歴史の教科書が展示されていました。
そのほかにも、会場には、日清・日露戦争や第二次世界大戦に従軍して戦死した人々を慰霊する「彰忠碑」に関する資料や写真なども展示され、来場した皆さんは、地元の戦争の記憶を伝える貴重な資料の数々を、真剣な表情で見つめていました。