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放送日2025年05月21日~
第53回 多摩美術家協会展
多摩市
パルテノン多摩にある市民ギャラリーでは現在、「第53回 多摩美術家協会展」が開かれています。
多摩美術家協会は、多摩地域の美術文化の発展に寄与することを目的に、1971年に発足した団体で、現在は、22人の会員が所属し、作品展やワークショップなど、様々な活動を行っていす。
会場には、油絵やアクリル画、立体作品など50を超える作品が並びました。
会場内でひときわ目を引くこちらは、鈴木幸子さんの「空に」という作品です。
150号という大きなキャンバスには、鈴木さん自身が幼い頃に着ていたという、「鹿の子」模様の着物と、大学に合格したという孫が鶴に見立てて描かれています。
鈴木さんは、これからの人生でさまざまなことがあっても、孫には大きく羽ばたいていってほしいと、空へと舞い上がる鶴の姿にその願いを重ねて描いたということです。
一方、こちらは招待作家の作品として展示された長倉陽一さんの「暮れの裁き」です。
作品では、夢の中で「なまはげ」に問い詰められるという大人の姿が描かれ、本来は子どもを叱る存在である「なまはげ」を、大人に向けた視点で表現しています。
作者の長倉さんは、最近のニュースやSNSを見ていると、「今は子どもよりも大人の方が怒られるべきではないか」と感じることが多くなり、この作品を描き始めたということです。
「なまはげ」のまわりには、たくさんの、ひらがなの「お」という文字が描かれていて、そこには、怒りや圧力といった感情が表現されているということです。
その他にも、会場には、繊細なタッチのボールペン画や、幻想的な色合いの油絵など、様々なジャンルの作品が並び、訪れた皆さんは、ひとつひとつの作品をじっくりと鑑賞していました。
多摩美術家協会展は、5月25日(日)までパルテノン多摩・市民ギャラリーにて開催されています。