現在放送中

放送日2025年04月16日~

令和7年度企画展示「土の中のトーキョー 近代考古学事始」

多摩市

多摩市落合の東京都立埋蔵文化財調査センターでは、現在「土の中のトーキョー 近代考古学事始」と題した企画展示が開催されています。
年度ごとにテーマを変えて行っている、東京都立埋蔵文化財調査センターの企画展示。
今回は、1990年代前半から行ってきた発掘調査の出土品を通して、近代の東京の人々の暮らしを紹介する内容となっています。

展示は、「トーキョーの礎」・「トーキョーを襲った災禍」、そして「トーキョーの暮らし」という3章からなり、それぞれのテーマごとに、関連した出土物や、解説が展示されています。

第一章では、都電や都バス、建物に使用されていたレンガなどが展示され、東京の街の近代化を進めるために必要だったインフラについて詳しく知ることができます。
日本最初の鉄道の駅・新橋停車場から発掘された電車の部品のひとつ、明治時代の初め頃に主に使用されていたという、「双頭レール」は、特殊な固定方法が必要だったため、現代でも使用されている、「平底レール」という形が主流になりました。
また、レールに英字でイギリスの地名や社名が記載されていることから、当時は国内に大きい鉄製品を作る工場などがなかったため、列車などの部品は輸入品に頼っていたということがわかります。

そのほかにも、第二章の展示では、関東大震災などの被害を表す資料などを通して、近代化を進める中で、災害に見舞われて発展が滞っていたことや、当時の人々が使用していた食器などのデザインや形の移り変わりから、西洋の影響がどのように現れていたのかを資料から知ることができます。

企画展示「土の中のトーキョー 近代考古学事始」は、来年3月8日(日)まで埋蔵文化財センターで開催されています。