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放送日2025年08月24日~
第34回多摩市平和展
多摩市
8月17日(日)から24日(日)まで、多摩市落合のパルテノン多摩で、「第34回多摩市平和展」が開催されました。
これは、戦争の悲惨さを次の世代に伝え、平和について考えてもらおうと、多摩市と多摩市平和展市民会議の共催により毎年開かれているもので、期間中は展示を中心に、様々な企画が行われました。
市民ギャラリーでは、「原爆の絵」の展示が行われていました。
「原爆の絵」は、被爆者の高齢化が進むなかで、被爆の事実を絵画として後世に残そうと行われている取り組みで、広島基町高校の生徒が被爆者の思いを受け継ぎ、被爆体験証言者とともに、「原爆の絵」を制作しています。
「8月6日の空」という題名のこの作品は、原子爆弾がさく裂して、青い空に白い巨大なきのこ雲が現れた様子が描かれています。
会場を訪れた人たちは、足を止めながら、真剣な表情で作品を見つめ、戦争や核兵器の恐ろしさを改めて感じているようでした。
そして、取材に伺ったこの日、オープンスタジオでは、被爆ピアノコンサートと講話が行われました。
被爆ピアノは、広島の原爆投下時に爆心地より3キロメートル以内にあったピアノのことで、今回はこのコンサートのために、広島から多摩市に運ばれてきたということです。
そのピアノの管理をする調律師の矢川光則さんから被爆ピアノについて、日本国内だけでなく世界でも演奏が行われていることなどの紹介がありました。
つづいて、昨年ノーベル平和賞を受賞した被団協・日本原水爆被害者団体協議会の濱住治郎 事務局長が、自身の被爆体験などについて語りました。
1945年、広島で、母親のお腹の中にいる時に被爆した濱住さんは、被爆者としての体験を語り継ぐ活動に力を注ぎ、被爆証言の継承や核兵器禁止を訴える運動を国内外で展開してきました。
講話の中で、濱住さんは、核兵器に対する考え方を語り、会場を訪れた人たちは、真剣な表情で話に耳を傾け、平和の尊さや命の大切さについて改めて考えている様子でした。
そして、最後は被爆ピアノのコンサートとして令和7年度多摩市こども被爆地派遣員の広瀬冬悟さんが自身で作曲した「生きて伝える平和」という曲の演奏を行いました。
被爆ピアノが奏でる力強くも優しい音色と広瀬さんの演奏に、会場に集まった皆さんはじっと耳をかたむけていました。