イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展

現在放送中

放送日2025年05月25日~

イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展

八王子市

八王子市八日町にある八王子市夢美術館では、現在、「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展」と題した展覧会が開催されています。

1941年にシンガポールで生まれたエロール・ル・カインは、15歳で単身イギリスに渡り、アニメーション制作に携わりながら、絵本作家としても活躍。
東洋や西洋美術、そして映画・アニメーションなどを学び、それらを融合して、細密な描写や多様なタッチで色彩あふれる絵を描き、生涯で40冊あまりの絵本を世に送り出してきました。

展覧会では、ル・カイン自らが描いた絵本原画やスケッチ、絵本など、合わせて200点ほどが展示され、取材に伺った17日(土)には、たくさんの人たちが会場を訪れ、その世界観を楽しんでいました。

中には、ル・カインが15歳の時に作った手書き原稿も展示され、アニメーションを作り始めてまもない頃の作品にも関わらず、そのイラストからは、豊かな才能の片りんを伺い知ることが出来ます。

また、ル・カインがインドに住んでいたころの情景を描いた「グランマ」という水彩画には、人形づくりをする祖母とその近くで絵を描いているル・カインが優しいタッチで描かれていて、見る人の心を温かな気持ちにさせてくれます。

そして、今回の展覧会では、ル・カインの絵本作家としてのデビュー作「アーサー王の剣」の原画も展示され、登場人物のユーモアある表情や豊かな色彩がひときわ存在感を放っていました。

このほかにも、絵画でありながらも舞台を見ているかのような原画の数々や、ル・カインの遺作「魔術師キャッツ」など様々な作品が展示され、訪れた人たちは時間を忘れて作品に見入っている様子でした。

「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展」は、6月1日(日)まで、八王子市夢美術館で開かれています。